令和7年度 湘南水交会 史跡研修報告

 研修地:神奈川県横須賀市(記念艦三笠、猿島)

 参加者:記念艦三笠 16名、猿島 12名

 令和7年10月5日、湘南水交会では会員の有志による史跡研修を実施いたしました。当日は天候が心配されましたが、前日とは打って変わって初夏を思わせる見事な晴天に恵まれ、充実した一日となりました。

 記念艦三笠は、明治時代に建造された日本帝国海軍の戦艦であり、日露戦争において連合艦隊旗艦として活躍した歴史的価値の高い艦艇です。現在は記念艦として保存・公開されており、艦内は博物館として整備されています。

 当日は、三笠保存会の古宇田様および山本権兵衛顕彰会の山本様による特別講義を賜り、日露戦争、特に日本海海戦の歴史的背景と意義について、詳細かつ分かりやすいご説明をいただきました。専門的な知識に基づく解説は、ドラマや小説の描写とは異なり、史実の理解を深める上で非常に有意義な研修となりました。

 艦橋や砲台、光学機器、無線設備などの展示を通じて、当時の海軍技術や艦艇の構造を具体的に把握することができました。また、東郷平八郎司令長官や当時の海軍関係者に関する資料からは、指揮官としての統率力および戦略的思考の重要性を改めて認識いたしました。三笠保存会のボランティア説明員による丁寧な対応も印象的で、施設の教育的価値を一層高めていると感じました。

 昼食休憩を挟み、午後からは猿島の見学研修を行いました。猿島は東京湾に浮かぶ唯一の自然島であり、旧日本軍の要塞跡が残る歴史的・文化的価値の高い場所です。島内には兵舎、発電所、弾薬庫、砲台、監視塔、レンガ造りのトンネルなどが点在しており、戦争遺構と豊かな自然が融合した独特の景観を呈していました。

 戦争遺構が自然環境と調和しており、平和の尊さを改めて考える契機となりました。無人島であった期間が長かったものの保存状態は良好であり、文化財としての保全意識の高さが窺えました。展望台(砲台跡)からの眺望も非常に良好で、東京湾要塞の主要防備地域としての重要性を理解することができました。また同時に観光資源としての価値も感じられました。ボランティアガイドによる島内案内も非常に有意義で、見逃しがちな遺構についても丁寧にご説明いただきました。

 本研修を通じて、歴史的施設の保存・活用方法、文化資産を通じた教育的効果、そしてボランティアによる人的支援の重要性について多くの学びを得ることができました。地域社会との連携による施設運営の好事例として、今後の当会の活動にも大いに参考となる有意義な研修となりました。

 今回の史跡研修では湘南水交会 畠野会長、史跡研修担当 高橋様、井上様により事前の計画、当日のご案内を頂きました。誠にありがとうございました。

(有志会員 西野英治 記)